いまさら聞けない⁉つみたてNISAを完全マスター!!
新年あけましておめでとうございます。
皆様、新年はいかがお過ごしでしょうか。
そんな新年には心機一転、何かを始めるにはとても良いタイミングとなります。
そんな中、新年最初の記事は、つみたてNISAについて書きました。
「ずっと気にはなっていたけど、あまりよく分からなかった。」
「今年こそは、将来のためにしっかり勉強しよう!」
そんな方はぜひこの記事で「つみたてNISA」を完全マスターしていただき、将来のための資産形成を始めるきっかけにしてみてください。
目次
つみたてNISAとは?
つみたてNISA(ニーサ)は、主に若者世代の老後に向けた資産形成を目的として2018年1月より新たにスタートした制度です。
それまでも、NISAの制度がありましたが、2018年からはそれまでのタイプのNISAに加えて積立型の「つみたてNISA」が新設されました。
つみたてNISAでは、毎月決まった定額で運用商品を買い付けする積立投資タイプとなっている点が一般NISAとは大きく異なります。
まずは、一般NISAとつみたてNISAを比べてみましょう。
一般のNISA | つみたてNISA | |
年間非課税投資枠 | 120万円 | 40万円 |
非課税
投資総額 |
600万円
(120万円×5年間) |
800万円
(40万円×20年間) |
対象商品 | 株・投資信託・ETF・REIT | 投資信託・ETF |
期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2037年 |
非課税
運用期間 |
投資した年より
最長5年間 |
投資した年より
最長20年間 |
一般NISAに比べて、つみたてNISAでは年間の非課税投資枠が40万円と少額ですが、非課税期間は20年間と一般NISAよりも長いため、ずっと継続して投資をした場合には最終的な投資額はつみたてNISAの方が大きくなります。
そして、一般NISA・つみたてNISAともに最大のメリットは何といっても運用で得た利益や分配金に対して税金がかからないことです。
NISA以外で運用して利益が出た場合、通常は利益には税金がかかりますが、一般NISAでは最長5年間、つみたてNISAでは20年間、利益に対して税金がかからないのです。
つみたてNISAは非課税運用期間が長いため、より長期での資産形成に向いています。
また投資においてはリスクもありますが、運用期間が長期間になるほどリスクは低くなる点も考慮すると、つみたてNISAはこれまでに投資経験があまり無い人にとっても始めやすくとてもメリットのある制度と言えるでしょう。
運用利益の非課税がつみたてNISA最大のメリット
先ほどお話した通り、つみたてNISAの最大のメリットは運用によって得た利益に対して税金がかからないという事でした。
では、NISA出ない場合に利益が出たら税金はどれくらいかかるのか。
通常は投資で得た利益は、20.315%の税金がかかります。
例えば、投資で10万円の利益を得た場合には、10万円×20.315%=20,315円の税金がかかるため、手元に残るのは79,685円となります。
つみたてNISAの非課税期間
つみたてNISAの非課税期間は20年間とお伝えしましたが、図にすると以下のようになります。
出典:金融庁公式サイトhttps://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html
今年2020年からつみたてNISAをスタートされる方であれば、2020年に購入した40万円までの金融商品に対しては、2039年まで非課税で運用することができます。
そして、また来年2021年の1年間に購入した40万円までの金融商品に対しても、そこから「20年後」の2040年までが非課税運用期間となります。
このように、つみたてNISAを継続した結果、階段状に投資残高が増えていききます。
そして、20年間の非課税運用期間が終わると、これまで運用した金融商品を売却、もしくは、通常の口座(特定口座など)へ移行してそのまま運用を継続するのかを選択します。
その際に、購入した金額よりも増えていたとしても、その期間中の利益分に対してはもちろん非課税なので税金はかかりません。
また、売却せずに通常の口座(特定口座など)へ移行した場合には、移行した時の価額を新たな取得価額として、そこから先は利益が出たら税金がかかるようになってきます。
今後、制度の延長等が見込まれていますが、今の制度のままで2020年から新たに積立をスタートして、最終の2037年まで継続した場合だと、最終年である2037年の非課税運用期間が終了するのが2056年。よって、今から36年後になります。
今年29歳になる人が、将来の資産形成のために2020年からつみたてNISAをスタートすれば、49歳の時点で2020年に購入したつみたてNISAが最初の非課税運用期間の終了を迎え、その後、順次毎年非課税期間が満了していきますが、そのまま通常の口座へ移行して運用を継続しておけば65歳時点ですべてのつみたてNISAが非課税期間を終了します。
毎年、40万円の積立を行っていた場合には、65歳までの合計積立額は720万円になります。
さて、これが一体どのくらい増えるのでしょうか。
運用シミュレーション
仮に20年間3%の複利運用が行われた場合を想定しました。
投資元本40万円、年複利3%、非課税、運用期間19年(1年目は積立期間のため)
最終年の残高約70万円程になります。
さらに、これらを今後2037年まで18年間ずっとつみたてNISAをした場合には、約70万円×18年分で約1,260万円になります。
本来ならば、利益分に20%程の税金が発生しますが、つみたてNISAであればすべてが手取りになります。
ここでは計算していませんが、非課税期間が満了したあとも、通常の口座へ移行して運用を続けておけば、さらに大きな運用成果をもたらしてくれることが期待できます。
長期運用目的の投資信託
では、つみたてNISAでは、具体的にどのような方法で投資運用していくのでしょうか。
つみたてNISAとは、それ自体が金融商品ではありません。
つみたてNISAという制度を利用して、投資信託という金融商品を自ら選んで購入しなければいけません。
よって、これまで投資経験のない人の中には、この段階で挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。
投資信託って損するのでは?
怖いイメージがある。
このような印象を持たれている人も多いと思います。
確かに「投資信託で損をした!」なんて話は世間でも多く存在していて、もしかすると身近な人でも投資信託で運用を失敗したという人が居てたりする場合もありますよね。
確かに事実としてそのような人も多くおられます。
きちんと自分の運用目的にあった投資信託を選べていない場合や、証券会社や銀行から言われるがままに購入して失敗をしている人が数多く存在します。
つまり投資信託の商品選びがとても重要なのです。
その点では、つみたてNISAの対象となる投資信託は、老後の資産形成(長期運用)に適している投資信託となるように金融庁があらかじめ条件を設定しており、それらを満たしたもののみがつみたてNISAの対象となっています。
その点でも、これまでにあまり投資経験が無い人でも、老後に向けた資産形成を投資信託で行うには始めやすい制度であると言えます。
積立投資は投資入門にはぴったり!
日本では、「投資」と聞くだけでアレルギーのような物を感じる人もまだ多くおられるのが現状でしょうか。ただし、そんな状況は年々薄れているようにも感じます。
私たちの間でもここ数年で一気に投資に対する正しい知識を身につける人も増えてきたため、少しずつではありますが投資に対しての正しい知識が広まってきたようにも思います。
そんな中、実はつみたてNISAはその名の通り「積立」です。
実はこの「積立」が投資の入門者にはぴったりの仕組みとなっているのです。
つみたてNISAでは「一定のタイミング」で「一定の金額」を「継続して」投資することになります。
つまり、投資商品の価格が上がったり下がったりを何度も繰り返していくことで、平均的な取得価格は徐々に均されていくことになり、さらに長期間にわたり継続して積立ていくことで、投資によるリスクは徐々に小さくなっていくのです。
この方法をドルコスト平均法と言います。
ドルコスト平均法については、動画がわかりやすいので詳しく理解したい人はこちらをご覧ください。
[作成:マニュライフ生命保険会社(2分40秒)]
安い時に購入し、高い時に売却するというのが、本来は投資で利益を得るための方法となりますが、そのタイミングを見定めるには、投資に対するそれなりの知識と経験が必要になります。
普段、忙しくてマーケットをチェックする時間が無かったり、一から勉強する時間もないという人でも、投資や資産運用をするのであれば、まずはドルコスト平均法で毎月コツコツ、長期間の運用をすることが最適な方法と言えるでしょう。
その点でもつみたてNISAはぴったりの制度ですね。
いつでも現金化できる
ここまで解説してきた通り、つみたてNISAはこれまで投資経験のない人でも、投資信託を使って老後に向けた資産形成を行うことがわりと簡単にできるということがお分かりいただけたと思います。
ただし、このような投資入門者に最適な制度は実は、つみたてNISA以外にもあるんです。
iDeCo(イデコ)というものも耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
iDeCoは個人型確定拠出年金といって、公的年金を補完するために老後の資産形成を目的として作られた制度です。
そして、iDeCoもまた、つみたてNISAと同様に投資信託でコツコツとドルコスト平均法で運用を行います。
さらに、iDeCoの最大のメリットは積み立てたお金が、所得控除となる点です。生命保険料が控除になることは年末調整をしているサラリーマンの人たちも周知の事実ですが、同様にiDeCoの掛け金も控除の対象となるのです。
つまり将来の貯蓄をしながら、積み立てたお金が控除になるという優れた制度です。この点においてはつみたてNISAよりも、iDeCoの方が優れています。
ただし、iDeCoの特徴の1つに原則「60歳まで現金化できない」というルールがあります。不測の事態であろうとなんであろうと、一度積み立てたお金は命がある限りは現金化できない仕組みになっています。
その点では、つみたてNISAと大きく異なります。
一方で、つみたてNISAはiDeCoのような所得控除はありませんが、いつでも自由に現金化できるという特徴があります。ライフプランに大きな変化があったり、不測に事態が発生した場合には、積立している投資信託を解約して現金化することが可能です。現金化できることでiDeCoよりも自由度があり、つみたてNISAの大きなメリットでもあります。
ただし、一度現金化してしまったら、その年分のNISAの非課税枠は無くなってしまいます。
このようにつみたてNISAとiDeCoは、似たような制度ではありますが、それぞれに異なる特徴がありますので、今後のライフプランを考慮した上でそれぞれを上手に活用してくださいね。
つみたてNISAのデメリット
つみたてNISAにはもちろんデメリットもあります。
それは投資リスクです。
長期運用であれば、ドルコスト平均法の効果もあるので、ある程度の投資リスクを下げることはできますが、それでもリスクはゼロではありません。
投資リスクとは、つまり元本割れするリスクがあるということです。
そのため、つみたてNISAを始めるのであれば、ある程度長い期間での運用を念頭に始めるようにしてください。
よく「樹を育てる」ことに例えられていますが、まさにその通りです。
積立期間や運用期間が長くなるほど、理論上は元本割れリスクは低くなりますので、いずれにしても短期運用ではなく、20~30年以上の長期の運用をイメージしながら老後の備えをコツコツ育てていくつもりで上手に制度を活用してください。
実際にはじめてみましょう
では、実際につみたてNISAを始めるためには、まずNISA口座を開設しなければ行けません。
NISA口座は証券会社や銀行などを通じて開設が可能です。
開設できる口座は一人1口座だけです。
途中でNISA口座を他の金融機関への変更することも可能ですが、1年間のうちに一度でもつみたてNISA口座で積立をしてしまうと、その年に関しては金融機関の変更はできません。
そして金融機関を変更した場合でも、変更前に積立したNISA口座の資産に関しては、変更後もその金融機関のままで管理することになり資産自体の移管はできません。
また、金融機関によっても投資信託の商品の取り扱い数に違いがあったり、積立頻度も基本的には毎月積立ですが、中には毎日積立などにも対応している金融機関もあります。
このようにつみたてNISAは運用期間が長くなることが想定されますので、どこの金融機関にするのかは、しっかりと調べて決める必要があります。
もしどうしても分からない場合で、詳しくご相談してみたい場合には、家計教師.comでも個別相談を受け付けておりますので、ぜひご活用ください。
まとめ
2020年最初の記事は、つみたてNISAについて解説してきました。
つみたてNISAの最大のメリットは運用で利益が出ても税金がかからないことです。非課税となる期間はなんと20年間です。
ドルコスト平均法による積立投資なので、投資入門者でも安心して資産運用が可能です。
もちろん元本割れなどの投資リスクもありますので、長期運用を目的としてスタートすることが望ましいのですが、やはり長い人生においては何か起こるかはわかりません。もしもの不測の事態にはすぐに現金化することができるというのも、つみたてNISAの特徴の一つです。
このような特徴を抑えつつ、これまで躊躇されていた方も、まずは金融機関で口座開設をして2020年からつみたてNISAをはじめてられてみてはいかがでしょうか。
本年も家計教師.comを何卒よろしくお願い申し上げます。