Web相談事例18 住宅ローンの金利が上がっているみたいですが、変動金利のままで大丈夫でしょうか?
Q.
住宅ローン心配です
■ご相談内容
住宅ローン
■ご相談したい内容
5年くらい前に家を購入して住宅ローンを変動金利で借りています。
最近ニュースで住宅ローンの金利が上がっているというのをよく見るので、このまま変動金利で大丈夫なのか少し不安になってきました。
固定金利に変えた方がいいのでしょうか?
でも今から固定にすると逆に金利が高くなるのかなとも思っています。
まだ住宅ローンはかなり残っています。
今すぐ何かした方がいいのか、このままでもいいのか教えてほしいです。
■その他FPに伝えておきたいことなど
子どもが2人いて、これから教育費もかかる予定です。
A. 回答者:ファイナンシャルプランナー 白坂大介
ご相談ありがとうございます。
最近は住宅ローン金利のニュースを目にする機会も増えていますので、変動金利で借りている方が不安になるのは自然なことだと思います。
「変動金利だから危険」「固定金利に変えれば安心」と、金利タイプだけで判断する必要はありません。
まず確認したいのは、もし住宅ローンの返済負担が増えても、ご家庭の家計が無理なく続けられるかということです。
住宅ローンは「金利」だけを見て決めない
住宅ローンのニュースを見ていると、
「変動金利はこれから上がるのでは?」
「今のうちに固定金利へ変えた方がいいのでは?」
と考えたくなると思います。
もちろん金利は大切です。
ただ、住宅ローンを考えるときに本当に確認しておきたいのは、金利が上がった場合でも家計を維持できるかどうかです。
例えば、同じように変動金利で住宅ローンを借りている家庭でも、
- 毎月しっかり貯蓄できている家庭
- 毎月ほとんど余裕がない家庭
- 十分な預貯金がある家庭
- これから教育費が大きく増える家庭
では、金利が上がったときの影響はまったく違います。
まず確認したい5つのポイント
今回のようなご相談の場合、私は主に次の5つを確認します。
今の返済額で毎月ぎりぎりなのであれば、返済負担が少し増えただけでも家計への影響は大きくなります。
一方で、毎月ある程度の余裕を残して生活できているのであれば、金利上昇にも対応しやすくなります。
住宅ローンを借りたときには家計に余裕があっても、お子さまが中学・高校・大学へ進むにつれて教育費は増えていきます。
住宅ローンの返済負担が増える時期と教育費のピークが重なると、家計への負担が一気に大きくなることがあります。
「金利が上がったら繰上返済をすればいい」と考えることもできます。
ただし、そのためには実際に使える預貯金が必要です。
また、預貯金を住宅ローンの返済にすべて使ってしまうと、病気や失業、急な出費などに対応できなくなります。
住宅ローンとは別に、一定の生活防衛資金を残しておくことも大切です。
住宅ローンを早く返すことばかりを優先して、NISAなどの資産形成や老後資金の準備をすべて止めてしまうのが、必ずしも良いとは限りません。
住宅ローンを完済できても、そのときに預貯金や老後資金がほとんど残っていなければ、それはそれで別の問題になります。
住宅ローン、教育費、預貯金、資産形成、老後資金を一緒に考えることが重要です。
これは数字では表しにくいのですが、とても大切なポイントです。
以前、住宅購入時に住宅ローンをご相談いただいた方から、金利上昇のニュースを見たあとに、
「固定金利にしておいて良かった。当時の話を思い出しました」
とご連絡をいただいたことがあります。
その方に当時お伝えしたのは、「固定金利の方が必ず得です」ということではありません。
将来、金利が動くたびに返済額を気にして一喜一憂することが大きなストレスになるのであれば、返済額を固定すること自体にも価値があります、というお話でした。
逆に、多少金利が変動しても家計には十分な余裕があり、低い金利を活かしたいと考える方もいます。
このあたりは、ご家庭によって考え方が違って当然です。
「不安だから固定金利へ変更」は少し待ってください
今回のご質問で一番気を付けていただきたいのは、
「金利が上がっているから、急いで固定金利へ変えよう」
とニュースだけを見て判断してしまうことです。
固定金利への変更や他の銀行への借換えを考える場合には、
- 現在の適用金利
- 住宅ローン残高
- 残りの返済期間
- 固定へ変更した場合の金利
- 借換えにかかる諸費用
- 現在加入している団体信用生命保険
- 今後の繰上返済予定
などを確認する必要があります。
固定金利へ変更したことで、かえって毎月の返済額や総返済額が大きく増える場合もあります。
今すぐできるのは「わが家の耐久力」を確認すること
変動金利を続けるか、固定金利へ変更するかを考える前に、まずは現在の家計を整理してみてください。
- 毎月いくら貯蓄できているか
- 今後の教育費はいくら必要になりそうか
- 現在の預貯金はいくらあるか
- 老後資金の準備は進んでいるか
- 住宅ローンの返済額が増えても生活できるか
このあたりを確認すると、
「多少金利が上がっても問題なさそう」
なのか、
「今のうちに住宅ローンや家計を見直した方がよさそう」
なのかが見えてきます。
FPからひとこと
でも、本当に大切なのは、「金利がどうなるか」ではなく、「金利が動いても大丈夫な家計か」ということです。
住宅ローンは人生の中でも大きな支出ですが、住宅ローンだけのために生活しているわけではありません。
教育費も、老後も、旅行も、趣味も、家族との時間もあります。
住宅ローンを考えるときこそ、これからどんな暮らしをしたいのかまで含めて考えてみてください。
住宅ローンを含めて家計全体を確認したい方へ
「このまま変動金利で大丈夫?」
「固定金利へ変更した方がいい?」
「繰上返済をした方がいい?」
といった住宅ローンのご相談についても、住宅ローンだけでなく、教育費・保険・資産形成・老後資金まで含めて家計全体から整理することができます。
ニュースだけを見て結論を出すのではなく、まずは「わが家の場合はどうなのか」を確認してみてください。
変動金利と固定金利の選び方を詳しく知りたい方へ
変動金利と固定金利そのものの違いや、住宅ローンを選ぶときの判断軸については、住宅購入サポートFP相談所でも詳しく解説しています。


