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Web相談事例17 「年収の壁がなくなった」という話も聞きますが、本当なのでしょうか?

Q.

■ニックネーム
kanako

■ご相談内容
その他

■ご相談したい内容
現在パートで働いています。
「扶養の範囲内で働くなら103万円まで」とよく聞くのですが、正直よく分かっていません。

最近は「年収の壁がなくなった」という話も聞きますが、本当なのでしょうか?
実際には、いくらまで働くのがよいのか教えてください。

A. 回答者:ファイナンシャルプランナー 白坂大介

ご相談ありがとうございます。
結論からお伝えすると、

✔ ポイント
・税金の面では、以前より働ける範囲は広がっています
・しかし、社会保険の基準は変わっていません
・そのため「いくらまで働くべきか」は家計ごとに判断が必要です

ここから順番に分かりやすく解説します。

「扶養」は1つではありません

まず大前提として、「扶養」という言葉にはいくつかの意味があります。

  • ① 所得税の扶養
  • ② 住民税の扶養
  • ③ 社会保険の扶養

これらはすべて別の制度であり、それぞれ基準が異なります。

そのため、

  • 税金では扶養に入れる
  • でも社会保険では扶養から外れる

といったことが普通に起こります。

税金の「年収の壁」はどう変わったのか?

令和7年・8年の税制改正により、所得税・住民税のルールが見直されました。

✔ 税金の目安(令和8・9年版)
・住民税 → 年収110万円を超えるとかかり始める
・所得税 → 年収178万円を超えるとかかり始める
・所得税の扶養 → 年収136万円以下が目安

つまり、税金だけを見れば以前より働ける範囲は広がっています。

一番重要なのは「社会保険」です

ここが今回の最大のポイントです。

※ここだけでも必ず押さえてください

✔ 最重要ポイント
社会保険の扶養ラインは、基本的に年収130万円未満のままです。

つまり、

  • 税金 → 緩和されている
  • 社会保険 → 変わっていない

このズレが「年収の壁が分かりにくくなった原因」です。

扶養から外れるとどうなるのか?

社会保険の扶養から外れると、

  • 健康保険
  • 年金

を自分で負担する必要が出てきます。

この負担は大きく、年間で数十万円程度の負担増になることもあります。

さらに注意したい落とし穴

「扶養から外れたら会社の社会保険に入ればいい」と思われる方も多いのですが、
必ずしもそうとは限りません。

パート・アルバイトの場合、

  • 週20時間以上の勤務
  • 勤務先の規模などの条件

を満たさないと、会社の社会保険に加入できない場合があります。

✔ 見落としやすいポイント
・扶養から外れる
・でも会社の社会保険には入れない

→ 国民健康保険・国民年金に加入(自己負担増)

では、いくらまで働けばいいのか?

ここまでの内容を踏まえると、

「〇〇万円までなら安心」という単純な答えはありません。

なぜなら、

  • 勤務時間
  • 時給
  • 勤務先の条件
  • 家族の収入状況

によって最適な働き方が変わるためです。

補足:学生や配偶者の場合

なお、学生や配偶者の場合は税金の面でさらに別のルールがあります。

  • 学生 → 年収150万円まで満額控除、188万円まで段階的に控除
  • 配偶者 → 配偶者控除・配偶者特別控除の制度あり

ただし、ここでも重要なのは

税金と社会保険は別ルール

という点です。

まとめ

  • 税金の壁は緩和されている
  • 社会保険の壁は130万円のまま
  • 制度ごとにルールが違うため結果が変わる


「扶養内で働く」という考え方は、以前よりも複雑になっています。

迷われる場合は、収入だけでなく家計全体で判断することが大切です。


▶ 年収の壁について詳しく知りたい方はこちら
年収の壁はなくなった?税金と社会保険の違いを解説

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※本記事は令和8・9年の制度をもとにした目安です。
※実際の判定は所得・家族構成・勤務条件等により異なります。