Web相談事例17 「年収の壁がなくなった」という話も聞きますが、本当なのでしょうか?
Q.
kanako
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現在パートで働いています。
「扶養の範囲内で働くなら103万円まで」とよく聞くのですが、正直よく分かっていません。
最近は「年収の壁がなくなった」という話も聞きますが、本当なのでしょうか?
実際には、いくらまで働くのがよいのか教えてください。
A. 回答者:ファイナンシャルプランナー 白坂大介
ご相談ありがとうございます。
結論からお伝えすると、
・税金の面では、以前より働ける範囲は広がっています
・しかし、社会保険の基準は変わっていません
・そのため「いくらまで働くべきか」は家計ごとに判断が必要です
ここから順番に分かりやすく解説します。
「扶養」は1つではありません
まず大前提として、「扶養」という言葉にはいくつかの意味があります。
- ① 所得税の扶養
- ② 住民税の扶養
- ③ 社会保険の扶養
これらはすべて別の制度であり、それぞれ基準が異なります。
そのため、
- 税金では扶養に入れる
- でも社会保険では扶養から外れる
といったことが普通に起こります。
税金の「年収の壁」はどう変わったのか?
令和7年・8年の税制改正により、所得税・住民税のルールが見直されました。
・住民税 → 年収110万円を超えるとかかり始める
・所得税 → 年収178万円を超えるとかかり始める
・所得税の扶養 → 年収136万円以下が目安
つまり、税金だけを見れば以前より働ける範囲は広がっています。
一番重要なのは「社会保険」です
ここが今回の最大のポイントです。
※ここだけでも必ず押さえてください
社会保険の扶養ラインは、基本的に年収130万円未満のままです。
つまり、
- 税金 → 緩和されている
- 社会保険 → 変わっていない
このズレが「年収の壁が分かりにくくなった原因」です。
扶養から外れるとどうなるのか?
社会保険の扶養から外れると、
- 健康保険
- 年金
を自分で負担する必要が出てきます。
この負担は大きく、年間で数十万円程度の負担増になることもあります。
さらに注意したい落とし穴
「扶養から外れたら会社の社会保険に入ればいい」と思われる方も多いのですが、
必ずしもそうとは限りません。
パート・アルバイトの場合、
- 週20時間以上の勤務
- 勤務先の規模などの条件
を満たさないと、会社の社会保険に加入できない場合があります。
・扶養から外れる
・でも会社の社会保険には入れない
→ 国民健康保険・国民年金に加入(自己負担増)
では、いくらまで働けばいいのか?
ここまでの内容を踏まえると、
「〇〇万円までなら安心」という単純な答えはありません。
なぜなら、
- 勤務時間
- 時給
- 勤務先の条件
- 家族の収入状況
によって最適な働き方が変わるためです。
補足:学生や配偶者の場合
なお、学生や配偶者の場合は税金の面でさらに別のルールがあります。
- 学生 → 年収150万円まで満額控除、188万円まで段階的に控除
- 配偶者 → 配偶者控除・配偶者特別控除の制度あり
ただし、ここでも重要なのは
税金と社会保険は別ルール
という点です。
まとめ
- 税金の壁は緩和されている
- 社会保険の壁は130万円のまま
- 制度ごとにルールが違うため結果が変わる
「扶養内で働く」という考え方は、以前よりも複雑になっています。
迷われる場合は、収入だけでなく家計全体で判断することが大切です。
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※本記事は令和8・9年の制度をもとにした目安です。
※実際の判定は所得・家族構成・勤務条件等により異なります。


