Web相談事例10 住宅ローンの借り換えと金利変動リスクについてのご相談:固定金利と変動金利の比較
Q.
のだ
■ご相談内容
住宅ローン
■ご相談したい内容
49歳、男性、会社経営を行っているもので、住宅ローン借り換えの相談です。
現在ARUHIのフラット35で借り入れしてます。金利はがん団信込みの1.49%で残金は2,150万、残りは29年です。
自身で経営する会社が3期連続黒字を達成したことで銀行系のローンに借り換えしようかと思い、最寄りの地銀に相談したところ借り換え審査に通過しました。
金利はがん団信込みの変動0.975%で、現状の想定メリットは128万(月にして3,700円程度)です。
今後の金利の上昇を鑑みて、借り換えをすることが正解か不正解かで悩んでます。
銀行からは全期間の平均利率が1.337%を越えなければ損にならないと言われてます。
今後の金利がどのようになるのか想像にすぎないと思いますが、プロの方のご意見を伺いたくご相談させていただいた次第です。
どうぞ宜しくお願いいたします。
A. 回答者:白坂大介
のださん、はじめまして。
ご相談ありがとうございます。
住宅ローンの借り換えと金利変動リスクについてのご相談を回答させていただきます。
結論から言えば、ご存じの通り住宅ローンの金利動向について完全に予測することは不可能です。
今回は住宅ローンの借り換えで注意すべきポイントとリスクについてFP白坂が解説します。
変動金利と固定金利のメリット・デメリットを比較し、安心して最適な判断をするための参考にしていただければと思います。
住宅ローン借り換えのメリットとデメリットを考える
現在、フラット35の固定金利で住宅ローンを組んでいる方が、変動金利への借り換えを検討しているケースについて、借り換えのメリットとリスクを詳しく解説します。
住宅ローンの借り換えは金利を下げて返済額を減らす大きなチャンスですが、その際に気をつけるべきポイントも多くあります。
現在の状況と借り換えのメリット
現在の住宅ローン
フラット35(固定金利1.49%、がん団信込み)で残高2,150万円、残り期間29年。
借り換えの提案
地方銀行の変動金利型ローン(変動金利0.975%、がん団信込み)に借り換えを検討中。
想定メリットは総額で約128万円(月あたり約3,700円の節約)。
変動金利と固定金利の比較とリスク
変動金利型ローンのメリットとデメリット
メリット
- 現在の金利が非常に低いため、返済額を大幅に削減できる可能性があります。
- 経済状況によっては、長期間にわたり低金利が維持される可能性もあります。
デメリット
- 将来の金利上昇リスクがあります。変動金利が1.337%を超えると、現在のフラット35の固定金利よりも返済額が高くなる可能性があります。
- 金利上昇により、返済計画が大きく変動するリスクを負うことになります。
過去の変動金利の推移から見るリスク評価
日本の住宅ローンの変動金利は過去数十年間で大きな変動を経験しています。
特にバブル期には6%を超えることもありましたが、その後のゼロ金利政策などで低水準が続いています。
しかし、将来の金利動向は不透明であり、特にインフレ率の上昇や経済政策の変更によっては、変動金利が上昇する可能性が高まることもあります。
変動金利リスクに対する現実的な対策
早期返済の計画を立てる
変動金利が上昇する前に、余裕資金を使って元本を減らすことで、総支払額の増加リスクを抑えることができます。
金利が低い今のうちに繰上げ返済をすることで、将来の負担を軽減します。
返済余力を確保する
金利上昇に備えて、毎月の返済額が増加する可能性を見越した資金計画を立てておきましょう。
具体的には、金利が1%、2%上昇した場合の返済シミュレーションを行い、そのリスクに耐えられるか確認することが重要です。
資産運用でのリスクヘッジ
手元資金を効率的に運用し、金利上昇時の返済負担を軽減する戦略を考えることも一つの方法です。
例えば、金利上昇に連動して預金金利や国債の利回りも上昇する場合には、これを活用することでリスクを緩和できます。
まとめ:借り換えを決断するためのポイント
少しでも返済コストを削減したい場合
現在の変動金利ローンへの借り換えは魅力的ですが、長期的な金利リスクを十分に考慮してください。
安定した返済計画を重視する場合
フラット35のような固定金利を継続することで、予期しないリスクを避けることができます。
将来の金利動向は予測困難ですが、慎重なシミュレーションとリスク管理の観点から判断することが重要です。
また、今回のケースでは、借り換えに伴い見込まれる節約効果が月額で3,700円です。
これを金利変動リスクを回避する保険料として考えた場合、高いと感じるのか?安いと感じるのか?
そのような考え方も判断の材料の一つとして検討するとよいかと思います。
さらに詳細なアドバイスが必要な場合は、ぜひ個別相談のご利用もご検討くださいませ。