Web相談事例09 将来を見据えた資産形成 iDeCoと定額貯金の賢い選び方
Q.
みくに
■ご相談内容
貯蓄・資産運用
■ご相談したい内容
30代後半、独身男性です。
老後など今後のことも考えiDeCoか定額貯金のどちらかで貯めていこうかと考えていますが、どちらがいいのか分かりません。
一応、iDeCoは税金控除が受けられると聞いたので、そちらがいいかなとも思うのですが、60歳になるまで引き出せないのも難点かなと思っています。
それぞれのメリット・デメリットと、どちらがいいか、あるいは両方始めてしまった方がいいかなど、教えていただきたいです。
■その他FPに伝えておきたいことなど
実家が都市部から離れた田舎にあるのですが、将来そちらで何かあった時移住も考えています。
実家の最寄り金融機関が郵便局なので、りそなや三井住友などのメガバンクよりは、ゆうちょの方が田舎に戻っても手続等してもらいやすいなと考えています。
A. 回答者:白坂大介
はじめまして、みくにさん。
みくにさんのご相談にご回答するにあたっては、iDeCoと定額貯金のメリット・デメリットを整理し、それぞれの選択肢についてアドバイスをしていきたいと思います。
iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットとデメリット
メリット
- 税制優遇
iDeCoでは掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税が軽減されます。
また、運用益も非課税となり、受取時も退職所得控除や公的年金等控除が適用されるため、税制面で非常に有利です。
多様な運用商品: 株式、債券、投資信託など、様々な運用商品から選べるため、リスク許容度に応じた資産運用が可能です。
デメリット
- 流動性の低さ
60歳になるまで資金の引き出しができないため、緊急時の資金確保には不向きです。
手数料: 口座開設や管理には手数料がかかる場合があります。選ぶ運用会社や商品によって異なるので、注意が必要です。
定額貯金のメリットとデメリット
メリット
- 元本保証
定額貯金は元本保証があり、リスクが非常に低いです。
- 流動性
一定期間経過後であれば、いつでも引き出しが可能であり、緊急時に資金が必要な場合でも対応しやすいです。
- 地方での利便性
ゆうちょ銀行は全国どこにでも支店があり、地方への移住を考えている場合でも利便性が高いです
デメリット
- 低金利
現在の低金利環境では、利息が非常に少ないため、資産の増加効果は限定的です。
- インフレリスク
将来的なインフレによる実質的な資産価値の目減りリスクがあります。
アドバイス
iDeCoの活用を基本としつつ、流動性のために定額貯金も併用する
みくにさんが60歳まで資金をロックしてしまうことに不安を感じているため、iDeCoで税制優遇を活用しつつ、緊急時の資金として定額貯金も一部確保する戦略が良いかもしれません。
リスク許容度と将来のライフプランに基づいて選択する
みくにが地方への移住も視野に入れていることから、将来のキャッシュフローを考慮しながら、資産運用と貯金をバランスよく行うことが重要です。
金融機関の選択
ゆうちょ銀行は、全国的に利便性が高い点が魅力ですが、運用商品の選択肢が少ない可能性があります。
iDeCoの運用先としても選べる金融機関を検討し、手数料やサポート体制も考慮に入れて決定することをおすすめします。
なお、iDeCoの検討には個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)が役に立つと思いますのでぜひご活用ください。
最後に、みくにさんにとって最適な資産運用の選択肢を見つけるためには、より具体的な目標やリスク許容度なども考慮する必要があります。さらに的確なアドバイスが必要とのことでしたら、当社のような独立系FPへの個別相談もご検討下さい。